TVメーカーが示すテレビのサイズと視聴距離の基準
テレビのサイズとそれに応じたテレビとの距離(視聴距離と言います)は各TVメーカーが基準を示していますが、これらはあくまで、最も美しく、迫力のあるテレビの映像が見られる距離のことです。一戸建てアンテナ工事専門業者として、実際に多くのご家庭のテレビに関わったものとしては、これらの基準は実情と比べると大きめ、近めの基準だと実感しています。
各メーカーが示す基準を総合すると下記のとおりです。(SHARP、Panasonic、SONYの公式HPを参照しました。)
フルHDの場合
サイズ | 画面の高さ | 部屋の広さ | 視聴距離 |
---|---|---|---|
32V型 | 約39cm | 4.5畳未満 | 約1.2m |
40V型・43V型 | 約50cm | 4.5~6畳 | 約1.5m |
46V型 | 約57cm | 6畳 | 約1.7m |
49V型 | 約60cm | 8畳 | 約1.8m |
52V型 | 約65cm | 8~10畳 | 約1.9m |
60V型 | 約75cm | 10畳以上 | 約2.2m |
70V型以上 | 約87cm | 10畳以上 | 約2.6m |
どのメーカーにおいても、液晶テレビの視聴距離はテレビ画面の高さの約3倍とされ、昔のブラウン管よりも視聴距離が短くても画面が荒くならないとしています。確かに、ブラウン管時代と比べると、どれほど近づいても画面が荒くならず、テレビの厚さも薄く場所を取らないため、大型液晶テレビを購入されている方が多いです。とはいえ、実際のところ、10畳以上の広いリビングでも、滅多に60V型以上のテレビを見かけることはありません。平均すると、46V型・49V型が一般的で、43V型以下も少なくありません。
4Kテレビの場合
サイズ | 画面の高さ | 部屋の広さ | 視聴距離 |
---|---|---|---|
43V型 | 約50cm | 4.5~6畳 | 約0.8m |
46V型 | 約57cm | 6畳 | 約0.85m |
49V型 | 約60cm | 8畳 | 約0.9m |
52V型 | 約65cm | 8~10畳 | 約1m |
60V型 | 約75cm | 10畳以上 | 約1.1m |
70V型以上 | 約87cm | 10畳以上 | 約1.3m |
4Kテレビは、フルHDテレビと比べて視聴距離は約半分が目安とされています。4Kテレビについても、弊社の担当の実感としては、やはり60V型以上を見かけることは滅多になく、フルHDの場合と同様、10畳以上の広いリビングでも、平均すると、46V型・49V型が一般的です。43V型以下も少なくありません。
お子さまにとっての視聴距離の目安
平均的には43V型~49V型のテレビから約1.5m離れたところにソファーやダイニングテーブルを置かれている場合が多いです。
以前は「3m離れて見る」ことが推奨されていましたが、残念ながら確実な科学的根拠はなく、今もずばり何mとは言う理由はありません。
とはいえ、やはり、テレビを長時間視聴することが視力低下に一定の影響がある以上、視聴距離についても、全く無関心でいることはできないかと思います。近づきすぎるとテレビ画面が消え、アラームが鳴る機能の付いたテレビが数年前からSONYより販売されており、1m以内に近づくと画面が消えて警告が出ます(参照:SONY公式HP「BRAVIA i-マニュアル・オンライン取扱説明書」)。
意図せず画面が暗くなって警告が出ることから、利用者からは賛否両論ある機能ですが、ご参考までにご紹介しました。
最後に
テレビの大きさは家電量販店で選んでいるときより、購入後、ご自宅に設置してからのほうが大きく見える場合があります。広い空間の中で見る際と、ご自宅で見る際の違いを考慮してテレビを選ぶのは難しいですよね。「量販店で勧められたテレビが、大きすぎる気がする…」という方や、「普通の一戸建ての平均が知りたい」という方向けに、アンテナ工事専門業者としての実感をご紹介しました。