地デジ・BSアンテナ・4K8K放送に関わるニュースには目を光らせていますが、中には興味深いものも紛れています。
そのなかからピックアップしてお伝えしています。
テレビで地デジ放送を観るためのものとしてお馴染みの「地デジ放送波」を、なんとゲリラ豪雨の予想に利用するための試験観測を東京都板橋区で国の機関NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)が開始したというプレスリリース(2018年1月31日)をご存知でしょうか。
ごく簡単にご説明すると、板橋区役所の屋上に地デジ放送受信用のアンテナを1本は東京スカイツリーに向けて、もう一本はそれと反対方向に向けて設置します。
スカイツリーに向いているアンテナで直接波(地上デジタル放送の放送波)を受信します。
もう一本のアンテナで受信するのは、板橋区内の大きなビルから反射してやってくる電波です。
反射波の受信には、大気中の水蒸気の影響で微小な遅延時間が発生します。つまり、板橋区上空の水蒸気量が多ければ多いほど、反射波の遅延時間は長くなるはず。
その時間を精密に(ピコ秒精度で)計測することで、水蒸気量が推定でき、より正確な天気予報に貢献できるのではないか、というものです。
まだ試験的に観測されているだけですが、この技術の精度が高まっていけば、雨の降る場所と時間の予測が難しいことで悪名高い、ゲリラ豪雨の予測がより正確にできるのではないかと期待されています。
「身近な地デジアンテナがゲリラ豪雨の予想に役立つかもしれない!」
とは、なんとも夢のある話だと思いませんか。
もし、この技術が全国的に広まるほどの精度を確保できるようになれば、将来的に
「テレビで『地デジ放送』と『ご自宅やお出かけ先付近の正確な天気予報』を視聴するために地デジアンテナを設置しませんか!」
と地デジアンテナ工事が宣伝される日も近いかも(?)しれませんね。